ゆとりレースエンジニアの欧州転戦日記

ドイツレースチームのデータエンジニアです

レース業界が受けるコロナの影響

こんにちは

先月から世界中に拡大しているコロナの影響によってF1開幕戦オーストラリアは直前キャンセル、現時点(2020/04/14)で第9戦までキャンセルが決定、6月26-28日に予定されている第10戦フランスGPもフランス政府が大規模イベントを禁止する可能性が高く開催困難な見込みです。

 

僕が担当しているカテゴリのEuroformula Open(EFO)とSuper Formulaでも影響が出ており、6月頃までのイベントは延期が決定しています。

 

F1オーストラリアGPがキャンセルされた翌日、僕はドイツ国内で予定していたEFOプライベートテストのために移動中に同僚からサーキット閉鎖されてテスト中止になる旨の連絡を受けました。その日はドライバ(イギリス在住)を空港まで送り届け解散。

 

SuperFormulaでは3月の富士テスト後に15号車ビップスのマネージャが帰国後の検査で陽性反応と判明しました。

3月28-29日に予定されていたSuperGT富士テスト(無観客予定)は当日ゲートの前でテスト中止がチームに伝えられたそうです・・・

 

そのような大混乱状態ですがレース開催に関しての思惑は各々で異なります。

(a) レースチーム

規模、契約形態によるが車両がテストやレースを走行して初めてスポンサー費用が入るためイベントが完全になくなると死活問題。また技術面でもタイヤ開発には時間を要するためSuperGTなどはタイヤ走行データをテストで収集する必要あり

(b)レースオーガナイザ

放映権、スポンサー契約を考慮すると無観客だとしてもイベントを成立させる必要あり、但し見切り発車による感染症拡大の懸念あり

(c) サーキット運営側

無観客でイベント開催となるとサーキット側としてはチケットが売れず収益が赤字になってしまう、そもそもコロナ収束直後は無観客でなくともチケットの売れ行きに疑問が残る

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モータースポーツには規模の小さなチーム、サプライヤ、フリーランスのエンジニア、メカニックなど大企業に所属していないメンバが本当に多くいます。無観客でレースを開催する場合はサーキット側の負担も大きいと思います。

政府の補助金もありますが、このような特に苦しい状況にあるチームや組織には、F1を初めとして盛り上がっているRace Simやe_sportのイベントをどんどん開催してネットやテレビで放送、その収益を回したり出来たらいいのになと勝手に思います。

 

読んでいただいてありがとうございました。