ゆとりレースエンジニアの欧州転戦日記

ドイツレースチームのデータエンジニアです

オーバーテイクされるためのシステム?

こんにちは、山下です。

当然ですがラップタイムを1/100秒、もしくは1/1000秒縮めるために設計されているのがレース車両です。数年前に僕がSuperGTを帯同していた際に、あるチームでは”エアコンは海外タイラウンド以外は重量物になるから車載無し”と話してました。。。

夏の富士スピードウェイなどもメチャクチャ暑いと思いますので、ドライバは極限状態で車両をコントロールしています。

 

何れにせよ、そのようにスピードを追い求めるレース車両ですが、他車両にオーバーテイクされるためのシステムも存在します。

意外な感じもしますが、このシステムはLeMans24時間レースを含むWEC世界選手権 (LMP1, LMP2, LME-GTE)やSuperGT (GT500, GT300)のような様々な車両が混走するカテゴリーに向いています。

 

システムの概要

・レーダセンサで後方より迫る車両を検知

・後方車両が左右どちらから抜こうとしているかを矢印でディスプレイに表示

・後方車両との距離情報と速度差を、LEDカラーと点滅にてドライバに示す

 


BOSCH Motorsport CAS-M light

 

混走レースでは上位カテゴリ車両に走行ラインを譲らないといけないこともあります。その場合にはクラッシュを避け、可能な限りタイムロスを減らす必要があります。

また同カテゴリ車両とバトルしている場合は相手車両をブロックするためにも使えます。

過酷な条件下で車両をコントロールするドライバには非常に有益だと思います。

でも結構いいお値段します (笑)

 

読んで頂いてありがとうございました。